個人投資家がクオンツファンド理論を適用するにあたって、「資金量の問題」「検証環境の問題」というハードルにぶち当たることを説明しました。
これらのハードルをどう克服してクオンツファンド理論の恩恵を受ければ良いかを、ここで説明したいと思います。まずは、資金量の問題に対する解決方法を示します。
【ミニ株制度などを使って銘柄数を増やす】
当然ですが、銘柄によって最低売買単位が異なります。数千円〜数万円で購入できる銘柄もあれば、最低でも数百万円する銘柄もあります。
資金が少ない個人投資家がクオンツファンド理論を実践するにあたって、数千円〜数万円で購入できる銘柄は非常に都合が良いです。しかし、最低でも数百万円する銘柄は非常に困ります。
このような場合、ミニ株制度があるならば、それを利用するのも一手です。ただし、ミニ株制度を利用すると売買コストが相対的に高くなるので、それも考慮しなければなりません。
資金量がそれほど多くないながらも、クオンツファンド理論を極力忠実に再現したいと考えるならば、最低売買単位があまりにも高い銘柄は見送るという選択をせざるを得ないでしょう。
【他の定量指標や定性分析も加えて銘柄を選別する】
個人投資家の場合、このプロセスはどうしても不可欠だと思います。なぜならば、資金量がそれほど多くない個人投資家の場合、ミニ株制度などを使って銘柄数を増やすにしても限界があるからです。
例えば、PERという定量指標が有効であるという信念のもと、PERを重視するファンドを作ろうとして、組み入れ銘柄の候補として、低PER銘柄の上位100銘柄を持ってきたとします。
クオンツファンド理論に忠実に従うならば100銘柄組み入れられるのが理想ですが、資金量の問題などから、それがかなわないとします。
そうすると、どうしても銘柄数を絞るプロセスが不可欠になります。その銘柄の絞り込みを他の定量指標や定性判断を使うのです。
定性判断を使う場合は、個々人のリサーチ力に依存します。他の定量指標を使う場合には、過去のバックテスト結果から有効であると判断されたものを使用することになります。【投資信託経由でクオンツファンドを購入する】
個人投資家が分散投資の恩恵を受けたいと考える場合、投資信託が考えられます。
この投資信託経由できちんとしたクオンツファンドへ投資できれば良いのですが、残念ながら、現在の日本には、投資信託としてクオンツファンドがあまり存在しないのが現実です。もちろん、そうしたクオンツファンドが全くないわけではないのですが、仮にクオンツファンドがあったとしても、ファンド組成の基になっている定量指標、および、その組み合わせ方法がブラックボックスになっているのが普通です。
これだと、モデルポートフォリオ(運用会社が想定しているモデルを100%忠実に再現したときのポートフォリオ)と実ポートフォリオの乖離状況や、モデルのバックテスト結果、などを投資家側が把握することが不可能です。
そのため、ディスクローズがあまりなされていない投資信託に対して、投資家が資金を賭けるには不安があるというのもまた事実です。
以上のことから、【ミニ株などを使って銘柄数を増やす】ことと、【他の定量指標や定性分析も加えて銘柄を選別する】、の2つをうまく組み合わせるというのが現実的でしょう。