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アメリカの場合(2)

ここでは、先に紹介した単一定量指標の有効性について、まとめてみたいと思います。検証期間は、1951年から1996年です。

なお、分位と数値の関係は以下のとおりです。

  • 数値が低いほうが1分位の指標:PER、PBR、PCFR、PSR
  • 数値が高いほうが1分位の指標:上記以外の指標
【分析対象全銘柄の年間平均パフォーマンス(複利ベース、単位%)】
指標/分位 1分位 2分位 3分位 4分位 5分位 6分位 7分位 8分位 9分位 10
分位
PER 14.89 16.70 15.40 13.60 12.92 11.79 10.84 10.34 10.93 10.98
PBR 16.22 15.53 15.09 14.37 12.77 11.75 11.80 12.25 12.59 10.78
PCFR 15.72 15.97 14.19 11.81 12.26 12.85 11.10 9.62 10.60 8.98
PSR 17.63 16.52 16.50 15.64 13.91 13.18 11.62 9.93 7.78 5.12
配当利回り 13.96 13.77 15.09 14.30 13.38 13.50 12.56 12.98 11.73 11.81
EPS1年変化 11.92 13.06 13.52 14.22 14.10 12.95 14.66 12.03 13.14 12.02
EPS5年変化 10.80 13.07 13.35 12.72 13.64 14.41 11.86 12.99 12.29 12.41
利益率 11.89 12.38 12.68 11.80 12.36 13.25 13.08 13.76 13.87 11.95
ROE 13.34 15.17 13.95 12.50 13.47 13.24 13.20 14.33 12.57 12.28
RPS 16.85 15.23 14.74 12.75 13.26 12.56 13.10 11.85 11.36 6.08

【分析対象を大型株に限定した年間平均パフォーマンス(複利ベース、単位%)】

指標/分位 1分位 2分位 3分位 4分位 5分位 6分位 7分位 8分位 9分位 10
分位
PER 14.86 13.68 13.34 11.69 12.14 10.62 9.77 10.80 10.53 10.25
PBR 15.47 13.01 12.49 11.67 11.70 10.83 10.45 11.42 11.19 11.07
PCFR 16.16 13.82 12.40 12.03 10.30 11.09 10.44 9.76 10.63 11.92
PSR 14.27 13.96 12.53 12.27 12.34 12.57 10.42 10.23 9.51 10.45
配当利回り 12.51 12.76 13.42 12.29 11.86 10.47 12.29 12.17 9.87 10.93
EPS1年変化 10.28 11.43 11.44 12.71 12.72 11.61 11.50 11.84 12.62 11.62
EPS5年変化 10.00 12.72 10.74 10.93 12.41 11.27 11.21 11.63 11.75 11.68
利益率 10.80 11.75 12.52 12.19 12.70 12.22 12.51 12.89 12.63 12.62
ROE 11.32 14.52 13.80 11.11 11.05 12.31 10.90 12.12 10.88 12.27
RPS 15.22 13.25 12.38 12.38 11.92 11.17 11.03 11.51 12.30 10.47

【表の見方】

ここでは、PERを事例として表の見方を説明します。

まずは全銘柄についてですが、最もPERが低いグループ(1分位)の年間平均パフォーマンスは14.89%だったということを表します。そして、最もPERが高いグループ(10分位)の年間平均パフォーマンスは10.98%だったということを表します。

ということで、1分位のパフォーマンスと10分位のパフォーマンスでは、年間で約3.91%の違いがあるということが分かります。

「たった、3.91%の差しかないの?」

と思われるかもしれません。しかし、これは1951年から1996年までの45年間の平均だということを忘れてはなりません。
  • 45年間14.89%で複利運用できたとすると、100万円が約51,606万円になります。
  • 45年間14.89%で複利運用できたとすると、100万円が約10,865万円になります。

ということで、運用パフォーマンスが約4.75倍変わってくるのです。

なお、下の表は、分析対象銘柄を大型株に限定した場合のパフォーマンスですが、大型株に限定した場合でもPERは比較的有効性を保っていることが分かります。

【パフォーマンスランキング

ここでは、1分位と10分位のリターン格差の絶対値をもって、定量指標のランキングを付けたいと思います。

指標 全銘柄 大型株
ランキング リターン格差 ランキング リターン格差
PER 5 3.91 2 4.61
PBR 4 5.44 3 4.40
PCFR 3 6.74 4 4.24
PSR 1 12.51 5 3.82
配当利回り 6 2.15 8 1.58
EPS1年変化 9 0.10 9 1.34
EPS5年変化 7 1.61 7 1.68
利益率 10 0.06 6 1.82
ROE 8 1.06 10 0.95
RPS 2 10.77 1 4.75

大型株と小型株でいくらか結果が異なるものの、総じて、「有効である指標は有効だし、そうでない指標はそうでない。」という傾向はありそうです。

したがって、アメリカ株に関して言えば、以下のような結論を出せそうです。

  • PER・PBR・PCFR・PSRといった「割安系指標」は有効である
  • RPSといった「モメンタム系指標」は有効である
  • 配当利回りは、他の割安系指標に比べて有効性が低い
  • EPS1年変化・EPS5年変化といった「成長系指標」は有効でない
  • 利益率・ROEといった「利益率系指標」は有効でない

なお、「ウオール街で勝つ法則」では、年間平均リターン以外に、年別リターン、年間別勝率、シャープレシオ、などの尺度でも各定量指標を評価しております。興味がありましたら、本文を参照してください。

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