バフェットからの手紙2010目次 > バークシャー・ハサウェイの将来のパフォーマンスについて
バークシャー・ハサウェイの将来のパフォーマンスについて
【バフェットからの手紙 2010年 4~5ページ目より引用・翻訳】
チャーリーも私も、他人の資金を預かる運用者は、目標とするパフォーマンスの目標を設定するべきだと考えています。
バークシャーの場合、過去にも申し上げたとおり、私たちの仕事は、バークシャーの1株あたり本質的価値を、S&P500よりも、ほどほど上回る水準で増加させることだと考えています。
その目標は、時に達成できるでしょうし、時に失敗に終わるでしょう。
しかし、もし私たちが将来にわたって、その目標を達成できないとするならば、私たちは、バークシャーの株主に対して、何も仕事が出来ていないことを意味します。
なぜなら、バークシャーの株主は、ただ単にS&P500に連動するインデックスファンドを所有するだけで、バークシャーと同じか、それ以上のリターンを手にすることが出来るのですから。
もちろん、株式の本質的な価値を算出することは容易ではありません。
その仕事は、チャーリーと私が、それぞれ独立して担っていますので、あなたは2つの異なる回答を得ることになるでしょう。完全に正確な数値を得ることは不可能ですが。
主観を取り除くために、私たちは自分たちのパフォーマンスを評価する際、本質的価値の代わりに株主資本を用いています。
株主資本は、本質的価値を控えめに表現する傾向がありますが、これで代用しています。
確かなことは、私たちのいくつかの事業は、株主資本の評価額よりも、はるかに高い本質的価値を有しているということです。(これについては、この手紙の中で後述します。)
しかし、その本質的価値と株主資本との差額であるプレミアムは、毎年大きく変動するため、私たちは自分たちを評価する上で株主資本を用いているというわけです。
過去46年間の私たちのパフォーマンスをみると、以前はS&P500を相当額上回ることが出来ていましたが、今では満足の行く程度にしか上回ることは出来ていません。
これは強調しておきますが、以前のような素晴らしいリターンが、再度実現することはありえません。
なぜなら、現在バークシャーは巨額の資金を運用しており、それは突出したパフォーマンスをあげることが出来るチャンスに投資出来ないことを意味するからです。
バークシャーの長期的なパフォーマンスの展望を提供するために、過去46年間のパフォーマンスを5年ごとに区切って分析してみた所、面白いことがわかりました。
S&P500との比較という点では、1980年代の初めに、私たちにとっての最高の日々は終わりました。その後に続く17年間は、バークシャーも高いリターンを上げ続けたのですが、S&P500に対する相対的な優位性は縮小しました。
その後、1999年以降、マーケットは下落しました。
そんな中で、バークシャーは、S&P500と比較して非常に満足のいくリターンを上げることが出来ました。
結果はどうなるか確約できませんが、将来も私たちはS&P500を数%上回るリターンを上げ続けたいと思っています。
その目的が達成できた場合、バークシャーのパフォーマンスは、市場全体が不調な年は良好なパフォーマンスをあげ、逆に強いマーケットでは、S&P500と比較して、ぱっとしないパフォーマンスになると思います。
この段落では、まず、「バークシャー・ハサウェイの、パフォーマンス目標は何なのか。」が明確に語られています。
配当込みのS&P500に勝つことと定義していますが、これは投資会社として非常にフェアな基準だと思います。
広く販売されている投資信託や、私たち投資家が自ら銘柄を選択したり、売買タイミングを見計らったりすることで行っているアクティブ運用も、すべては、「適切なベンチマークを上回る」ために行っているのです。
アメリカ株で言えばS&P500でしょうし、日本株でいえばTOPIXが適切だといえます。
バフェットは運用目標を具体的に定義するにとどまらず、「将来にわたってS&P500を上回ることが不可能ならば、自分たちの仕事は不要だと言える。」と発言していることは、アメリカ、日本を問わず多くのプロの投資家が見習うべき姿勢といえるでしょう。
もし、あなたが今、何かしらの投資信託を保有していたり、自分でアクティブ運用に取り組んだりしているのならば、ベンチマークと比較して、どのようなパフォーマンスだったのかを調べてみてください。
そして保有している投資信託がTOPIXやS&P500といったベンチマークに対して劣っているのならば、すぐに売却してインデックスファンドに乗り換えたほうが合理的な行動であるといえます。
また、自分自身が行っているアクティブ運用が、ベンチマークに対して劣っているのならば、シンプルにインデックスファンドを購入する方が、経済的な面でいえば合理的です。
ちなみに、「世界一の投資家であるウォーレン・バフェットは、インデックスファンドは馬鹿にしていて、銘柄選択をフル活用したアクティブ運用を、多くの個人投資家に勧めている。」といった迷信がありますが・・・
あれは「でっち上げ」です。
1996年のバフェットからの手紙に以下のような記述があります。
【バフェットからの手紙 1996年 より引用・翻訳】
あなた自身の投資についていくつかアドバイスしよう。
個人投資家であれ機関投資家であれ、ほとんどの投資家にとって普通株を所有する最善の方法は、手数料が安いインデックスを通じて行うことだよ。
この方法に従えば、費用控除後で、大半の有名なプロのファンドマネージャーを、打ち負かせることは確かだ。
この辺りからも、いかに日本でウォーレン・バフェットが誤解されて伝わっているか、お分かりいただけると思います。
バフェットがこの段落で言及している、「S&P500を適度に上回ることを希望している」という言葉は、裏を返すと、S&P500に大勝ちすることは非常に難しい上にリスクも伴うことを暗に意味しているものと思われます。
私たち投資家は今一度、この世界一の投資家のアドバイスを心に留めておくべきではないでしょうか?
次に、バークシャー・ハサウェイの将来のパフォーマンスについて、バフェット自身がどのように見ているかが言及されています。
たしかにバフェットの言うとおり、バークシャーの過去のリターンをみると、S&P500に比べて、下げ相場に強く、上げ相場では同じぐらいのリターンを上げるという傾向が見て取れます。
直近3年でいうと・・・
- 2008年はS&P500が-37.0%に対して、バークシャーは-9.6%
- 2009年はS&P500が26.5%に対して、バークシャーは19.8%
- 2010年はS&P500が15.1%に対して、バークシャーは13.0%
となっています。
バークシャーは株式だけではなく、現金も債券も大量に保有していますから、今後も下落相場に強く、上昇相場ではほどほどのリターンという傾向は、変わらないのではないかと、私も思います。
当サイト管理人による特別レポート期間限定無料公開
30歳で10億円以上の資産を築いた男が語る成功する上で最も重要なこととは
