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バークシャー株の本質的価値について
【バフェットからの手紙 2010年 5~6ページ目より引用・翻訳】
バークシャー株の本質的価値について正確に算出することは不可能ですが、本質的価値を構成する3つのは柱のうち2つは計測することが可能です。
チャーリーと私は、自分自身でバークシャーの価値を見積もる際、これらの計測方法に大きな信頼をよせています。
価値を構成する1番目の要素は、株式や債券や現金への投資です。年末、これらの市場価値は、合計1580億ドルでした。
そのうち、660億ドルは、私たちが保険フロートと呼んでいるものです。
このお金は保険事業の運営に伴い私たちが一時的に保有しているもので、私たちの資金ではありません。しかし、保険事業が今まで通り上手くいくことを前提にすれば、これらの資金も含めてバークシャー株主の価値と見なすことが出来ます。
バークシャーの価値を構成する2番目の要素は、保険と投資以外の事業から上がる収益です。これらの収益は、68社の企業からもたらされています。
バークシャーを運営し始めた頃は、私たちは投資や保険事業にフォーカスしていました。しかし、この20年は、保険事業以外のビジネスから上がる収益を育成することに注力していますし、この傾向は今後も継続するでしょう。

表1にある通り、私たちの1株あたり投資額は、この40年間、平均19.9%で増加してきました。
しかし、直近20年に限って言えば、事業会社の買収に資金を使っているため、1株あたり投資額の増加率は急速に鈍化しています。
それと引換えに、保険以外の事業からの収益が増加しました。表2を参照ください。
過去40年間の、保険事業以外からの収益増加率は年平均21.0%でした。
同期間、バークシャーの株価は年平均22.1%上昇しました。
将来も、バークシャーの株価は、上述した2つの要素、すなわち「投資」と「保険と投資以外の事業から上がる収益」に大雑把に連動していくものと考えられます。
株価と本質的価値は、しばしば全く異なった道をたどるものですが、長期的にみれば、最終的にはそれらは合致するものなのです。
最後、バークシャーの価値を構成する3番目の要素は、「将来の収益成長力」という、より主観的なものになります。
私たちを含め大半の企業が、次の10年で収益力を同じかそれ以上のものにしようと、収益を内部留保します。
そしていくつかの企業は、内部に留保した収益1ドルを、50セントに減少させる一方で、他の企業は、その1ドルを将来2ドルへと成長させることが出来ます。
この「保有する資金で何をするか?」という要素は、企業の本質的価値を正しく見極める上で非常に重要です。
なぜなら、もしCEOがこの仕事を上手くこなす可能性が高いのならば、良好な収益の再投資見込によって、その企業の本質的価値は増加します。
逆に、CEOの能力に疑問があるのならば、企業の本質的価値は減少します。
その違いがもたらす結果は甚大なものです。
1960年代後半に、シアーズ・ローバックやモンゴメリーのCEOの手にあった1ドルと、サム・ウォルトンの手にあった1ドルは、その後全く違う運命となりましたからね。
この段落を読めば、ウォーレン・バフェットが投資家というよりも、ビジネスマンであることが分かると思います。
バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイは、投資会社というよりもむしろ、持株であり、その傘下では投資事業、保険事業を核として、多数のビジネスが展開されているといった方が正確でしょう。
保険・投資事業以外のビジネスからの収益拡大に注力するという力強い宣言から、それが明らかとなっています。
バフェットは、バークシャー株の本質的価値について2つの柱という形で、「保有する投資資産」と、「投資・保険事業以外のビジネスから得られる収益」があると言っています。
保有資産の価値は1株当たり94,730ドル、投資・保険事業以外のビジネスから得られる収益の価値は、1株当り5,926ドルですから、単純に合計すると100,656ドルとなります。
ただし、投資・保険事業以外の1株あたり収益は、年間の収益額であることには注意が必要です。単純に税引前収益5,926ドルの10倍をその資産価値とすると、合計金額は153,990ドルになります。
株主向けレターを公開した2011年2月25日時点で127,550ドルでしたから、市場はバフェットが考えるバークシャー株の価値よりも低い値付けをしている、つまりバークシャー株は割安だとバフェットは感じているのかもしれません。
またバフェットは今回の株主向け手紙をの中で、
「株主資本と本質的価値は違うものであり、バークシャーは株主資本と比べてはるかに高い本質的価値を有する事業を保有している。」と表明しています。
アメリカ経済の先行きや、バークシャーが保有する事業の見通しについても、過去にないほど強気にみています。
それらを勘案すると、「バフェットは自社の株価がその本質的価値に対して割安だ。」と考えていると判断して良いといえるでしょう。
しかしながら、バフェットがどう考えていようとも、投資を決断するのは大切な資金を投じるあなたであり、最終的な判断は自分自身で行う必要があると思います。
ちなみにバフェットは、過去の経験から自社の収益や株価の見通しについて、投資家に期待させすぎないという姿勢を徹底しています。
その辺については、2010年の手紙の中でも、例えば、「バークシャーが初期の頃あげたような高いリターンは、今後絶対に期待できない。」といった発言からも見て取れると思います。
2010年のバフェットからの手紙は、そんな保守的なバフェットにしては、「非常に強気だな。」と感じるものになっていると思います。
バフェットも言うとおり、企業の本質的価値と株価は、短いスパンで見ると乖離し続けるケースも多々ありますが、長期的にみれば最終的には同じような価格になるはずですので、結果は10年後、20年後の楽しみにしておきたいところです。
最後に書いてある、サム・ウォルトンとは、ウォールマートの創業者であり、同社を世界一の小売業者に育て上げた経営者です。シアーズ・ローバックやモンゴメリーは一度倒産を経験した会社です。
それらを比較して、「事業で得た収益を使って経営者が今後何をするか」が企業の本質的価値に多大な影響を与えることを表現しています。
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