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成長株発掘

成長株の候補となりうる銘柄を定量的に把握するにはどうすればよいのでしょうか?

成長株とは、文字通り「成長している株」ですから、それを捕らえるファクターを抽出することが非常に重要となります。

最終的には、

・「その企業の成長ドライバーは何か?」
・「その企業の競争優位が維持できるか?」

が重要となってきますが、その前の段階、すなわち、成長株候補の特性を定量的に捕らえるという段階においては、

・「少なくとも、過去において、利益成長を達成したか?」
・「少なくとも、過去において高い資本利益率を達成したか?」

という程度で良いのではないかと思います。

もちろん、このような観点から成長株候補を探し出すことに関しては典型的な批判もあります。すなわち、

「過去の成長が将来の成長を約束するものなのか?」
(タイプ1の批判と呼ぶことにします)
「過去は成長していない銘柄でも将来は成長するかもしれないのではないか?」
(タイプ2の批判と呼ぶことにします)

という2つの問題です。

これに対する個人的な見解ですが、タイプ1の批判は絶対に対応しなければなりませんが、タイプ2の批判は無視しても良いかもしれないと考えています。

タイプ2の批判を無視してもよいと考えるのは、過去の数期間において事業成長を遂げていない銘柄から成長銘柄に変化しそうな銘柄を探すというのは

「ガラクタの山から宝を探す」

という作業に他ならず、かなりの確率で徒労に終わる可能性が高いと思うからです。

それよりは、「過去の数期間において順調に事業成長を遂げている銘柄の中から、さらに成長そうで、かつ、割安な銘柄を探す」

ということに専念したほうが良いと思います。

そこで、成長株となりそうな特徴を最低限だけ捉えたスクリーニング条件を考えることにします。

ここで重要なのは、以下の2つです。

「境界線となるパラメータ値をあまり厳しくしすぎないこと」
「条件をあれこれと付け加えないこと」

特に、成長株投資の場合はスクリーニングだけで銘柄選択プロセスが完了することはないでしょう。また、成長株投資の場合は、数字の裏づけを定性面から把握することのほうが重要ですから、スクリーニング条件としては、
「この程度の条件をクリアしていない銘柄は成長株というカテゴリーとして検討するに値しない」という程度のもので良いのではないかと思います。

さて、私が考えるスクリーニングですが、

「直近2期と予想の売上高が伸びている」
「直近2期と予想の株主資本利益率が平均以上である」

の2点です。

「えっ?たったこれだけ?しかも条件が緩すぎない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、それ以外の要因を考慮してもよいかも知れませんが、最終的には企業の実態を把握しなければならないことや、自分の目で銘柄を精査する余地を与えておくということを考えると、これで十分だと思います。

ちなみに、成長株投資においてよく見る定量指標であるPERやPEGといった株価関連データによるスクリーニングは実施せずに、横に並べておくだけにしておくのがポイントです。

これは、株価関連データについては、割安と成長をバランスよく見ることができるようにしておくことが重要だと私は思うからです。

それでは、具体的なスクリーニング条件を示したいと思います。CD−ROM版四季報に以下の項目を入力することになります。(下記の図は「単独決算」の場合の式です。)

番号 条件式名 条件式内容 演算子 条件値
売上高伸び率(2期前) ([売上高(-2)]/[売上高(-3)]-1)*100 > 0
売上高伸び率(直近) ([売上高(-1)]/[売上高(-2)]-1)*100 > 0
売上高伸び率(予想) ([売上高(0)]/[売上高(-1)]-1)*100 > 0
ROE(2期前) [経常利益(-2)]*0.6/[株主資本(-3)]*100 > 5
ROE(直近) [経常利益(-1)]*0.6/[株主資本(-2)]*100 > 5
ROE(予想) [経常利益(0)]*0.6/[株主資本(-1)]*100 > 5
PER(予想) ([DL・最新株数(株)(-2)]*[DL・月足終値(円)(-1)]/1000000)/([経常利益(0)]*0.6)    
PEG(予想) ([DL・最新株数(株)(-2)]*[DL・月足終値(円)(-1)]/1000000)/([経常利益(0)]*0.6) /(([売上高(0)]/[売上高(-1)]-1)*100)    

スクリーニング式のダウンロードは以下となります。
※四季報CDに直接インポート可能です。「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードした後に、活用ください。

各条件を簡単に説明します。

1〜3:
売上が伸びているという条件だけで、伸び率について厳しい制約は課していません。

4〜6:
ROEが5%以上という、成長株ならば当然この程度は余裕でクリアできるだろうという程度のハードルにしています。ちなみに、ここでは経常利益×0.6を使用し、特別損益要因を除外していることに注意してください。

7〜8:
ダウンロード株価(月次)を基にしたPERとPEGを表示させておきます。割安と成長のバランスを考えるため、スクリーニングはあえて行いません。ちなみに、ここではPEGの成長率について、利益成長率ではなく売上高成長率としていることにも注意してください。

条件が緩いのでそれなりの銘柄数が出てきます。そこで、スクリーニング結果をどう吟味するかが次のポイントになります。

これについては、検索結果を並べ替えて見ていけば良いことになります。

1)売上高成長率が高い銘柄から調査したい場合→売上高成長率の項目名にマウスを当ててクリック

2)ROEが高い銘柄から調査したい場合→ROEの項目名にマウスを当ててクリック

3)PERが低い銘柄から調査したい場合→PERの項目名にマウスを当ててクリック

4)PEGが低い銘柄から調査したい場合→PEGの項目名にマウスを当ててクリック

スクリーニング結果を確認したところ、イメージしていた銘柄が出てきました。あとは、個別企業の調査ということになるかと思います。

最後に。上記のスクリーニング式から抽出された「資産株候補」が、最終的に本当に良い投資対象となるのは、

「その企業の成長ドライバーは何か?」
「その企業の競争優位が維持できるか?」

を調査することにかかっているかと思います。すなわち、ビジネスモデル分析です。

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